鎮静剤を使用しての内視鏡検査のご案内

鎮静剤を使用しての内視鏡検査のご案内

気付けばあっという間に6月ですね。今年1年の折り返し地点を迎えました。

新型コロナウイルスとの付き合いも1年を越え、長期戦の様相を呈していますが、ワクチン接種によって、少しでも状況が改善されることを切に願います。

当クリニックでは、胃カメラ・大腸カメラの内視鏡検査を行っていますが、今回は、鎮静剤を用いた検査について、お伝えしたいと思います。


胃カメラや大腸カメラの検査と聞くと、「辛い」「苦しい」「もう二度とやりたくない」等の声が聞こえてくることが多いと思います。


今まで内視鏡検査を受けられて、辛い経験をされた方や、初めての内視鏡検査で不安が強い方などには、鎮静剤を使用し、眠っている間に行う方法をお勧めしています。

眠って行う検査と聞くと、手術などに用いられる「麻酔」をイメージされることがあるかと思いますが、麻酔は意識が全くない状態で行うものであり、鎮静剤とは、点滴よりお薬を投与し、眠った状態(例えると、熟睡しているような状態)で検査を行うことです。意識がない状態の麻酔とは違い、問いかけや刺激を与えることで、反応が得られます。


以下、鎮静剤を使用して行う検査の流れになります。

まず、左右どちらかの腕に、点滴用の針を挿入し、生理食塩水の点滴を繋ぎます。

そして、胃カメラの場合は、のどの麻酔を行い、検査室へ移動します。
大腸カメラの場合は、点滴の準備後に検査室へ移動します。

検査室へ移動したら、心電図の機械や血圧計を装着します。
検査中は、心拍数や酸素濃度を常時モニタリングしています。

準備が整ったら、点滴の方から鎮静剤を投与していきます。
鎮静剤を投与すると、数分でウトウトしてきます。
眠ったことを確認してから、内視鏡検査を開始します。


検査中は、様子を観察しながら、適宜、鎮静剤の量を調整し、安全かつ、なるべく苦痛は少なく検査を終えていただけるよう努めています。

※)多くの方は、気付いた時には検査が終わっていたというような形で検査を終えていますが、鎮静剤の効き方には、個人差があります。まれに、うまく眠れない方もいらっしゃいます。


検査時間は、胃カメラが10分弱で大腸カメラは20~30分程度の検査になります。

検査終了後は、検査室より目が覚めるまでの間、お休みいただく部屋へベッドのまま移動します。
そのまま1時間から1時間半程度お休みいただきます。

目がしっかり覚めたことを確認してから、検査説明を医師より受けていただき、終了となります。

お時間の目安ですが、来院からお帰りまで、

胃カメラは、およそ2時間~2時間半程度。
大腸カメラは、2時間半~3時間程度となります。
※)上記は目安ですので、前後することがあります。

また、鎮静剤を用いて、胃カメラと大腸カメラの両方の検査を行うことも可能です。その際は、胃カメラを先に行い、大腸カメラを続けて行います。
お時間の目安は、3時間~3時間半程度となります。


鎮静剤を使用しての検査をお選びいただく際に、注意点があります。
鎮静剤は、眠くなるお薬ですので、検査日1日を通して、ご本人様のお車やバイク等の運転をお控えいただいております。
送迎や公共機関、タクシー等のご利用をお願いしております。


前橋市の胃がん検診での胃カメラの際も、鎮静剤をご利用いただけます。
その際は、鎮静剤のお薬代として、4,000円のご負担をお願いしております。



病気にならないように気を付けることが最も重要ですが、それでも病気になってしまうことはあります。

病気にならないよう気を付けることの次に、病気の早期発見・早期治療が大切になってきます。早期発見・早期治療につなげるためには、定期的な検査が重要です。

胃カメラや大腸カメラの検査を受けたことのない方や、しばらく検査を受けていない方は、ご相談いただけますと幸いです。

スタッフ一同、心よりお待ちしております。

看護師 神倉